★ネタバレ感想★


どきどきフェノメノン
A phenomenon among students

森博嗣


<あらすじ>

 窪居佳那は24歳で、大学院のドクターコースに在籍中。趣味は「どきどき」すること。今日も、より刺激敵なドキドキを得るために、色々策をめぐらすのだが……。


<感想>

 彼女の一人称で書かれているから分りにくいけど、窪居佳那って、かなりイタイ女性だよね。自意識過剰で妄想癖があり。恋愛に晩生で自分はそこらの愛欲におぼれる人間たちとは違うとバカにしているくせに、本当はそれを求めている。それにストーカーだし、酒のんで記憶なくしてとんでもないことしでかすわで……超イタイ(笑)。でもそこが可愛いという声もチラホラ。――ふたばがですが(笑)。

 彼女がドキドキを求めるのは、恋愛の代償行為なのでしょう。――動物の生存本能である性愛とは違う、それはもっと高尚な行為をもとめているんだという逃避。だから性の生々しさに触れると――それがアブノーマルだからというのもあるにしろ――嫌悪感を持つし、友達を上手くくっつけてやろうと、高みの視点に立とうとしても、でも実際の行為に触れてしまうと焦燥を感じたりする。――でも最後、初めて好きだと告白されて、これまでボロクソに嫌っていた水谷を受け入れた途端――世界が一変しちゃう(笑)。

 結局、佳那の勇気が足りなかっただけということでしょう。本当は性愛を求めているのに、でも拒絶され傷つくことを恐れて実行できない。それを認めたくなくて、自分は周りとは違うと世界から孤立することで自分を守っている。周りを全然見ていない。自分だけ。他人が自分のト同じように考えて行動する一個の人間として捉えられていない。――本当は高いのではなくて、外にいる。見下ろしているのではなくて、見つめている。羨望を持って。――要は、大人になることへの恐れだったのでしょうね。たった1歩踏み出す勇気で、世界はこんなに変わって見える。――虎穴に入らずんば虎子を得ず、という事か(笑)

 

顔洗い、鏡を見る。
メガネがないから、ぼんやりとしか見えなかった。
別に変わったところはなさそうだ。
こんなに変わったのに、見かけは同じなのだな、人間ってやつは。


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