★ネタバレ感想★
エーリアン殺人事件
栗本薫
はるか遠い宇宙での出来事。巨大貨物船シーラカンス号が救助した宇宙船の中にいたのは史上最強のエーリアンだった。エーリアンによって犠牲者が続出する中、アル中・宇宙飛行士ルーク・ジョニーウォーカーは、無理矢理エーリアン探索隊長に任命されてしまう。抱腹絶倒のSFミステリィコメディ。
――初めは『エーリアン殺人事件』というタイトルから、SF世界を舞台にしたミステリィなのかな?と思いこんでいたら、ルーク・ジョニーウォーカーやオビワン・へノービーなど登場人物に超おふざけな名前がついていて単なるSF映画――特に『スターウォーズ』のパロディ?と思ったけど、さらにエイリアンの形がチ○チ○型だとか、なぜか登場する新撰組3人衆がホモだとか、そのほか純朴な青少年にとっては目を覆いたくなるような如何わしいネタが満載でわー下品な小説と思ったら、ついに訳の分からない雑俳というのか雑文が連発されて狙いは昔のナンセンスなギャグマンガを小説でやろうとしているのかと思い立ち、でもようやく本格ミステリィよろしく謎解きが展開されたと思いきや、エピローグで「史上最大のご都合主義のエピローグ」が登場!――たとえるなら数学の問題だと思って解いていたら、実は保険体育でした、みたいにある意味ミステリィファン垂涎のどんでん返しを食らわされてしまったのでした(笑)。読直後の感想は「一体なんだコレは?」の一言。――そう今作は「なんだコレは?」と読者に言わせるための作品だったのですね(笑)。あるいは「やっちまった……」とつぶやかせるためかな(笑)。
――あらゆる、常識とかお約束とか、全部ぶっ飛ばして、すっごくくだらないんだけど、ここまで行くとなんか「カ・イ・カ・ン……」とつぶやいてしまう感じ(笑)。――昔書かれたものなので、時事ネタが風化しすぎていますけど、むしろそこも、読者の想像や物語の王道などから、「外していく」美学を徹底的に追求しているからあえて時期を逸してしまう時事ネタ盛りこんでんだ!――みたいな、これはうがちすぎか(笑)。――そんなことを思いつつ、今、栗本センセイにこう言う作品を書いて欲しいなあとチラッと思ったりしてね(笑)。
百万かける百万分の一の確立の偶然。わしが常日ごろ、主張してやまないように、文学は必ずしも無力ではないのだ。
小説は現実より奇なり、これが本編を貫くメインテーマといってよろしかろう――オビワン・ヘノービー