★ネタバレ感想★


クレオパトラの葬送
薬師寺涼子の怪奇事件簿

田中芳樹

 


<あらすじ>

 ラ・パルマ共和国のかつての独裁者ホセ・モリタを監視するため、豪華客船クレオパトラ八世号に乗りこんだ絶世の美女にして警視庁のリーサルウェポン(?)薬師寺涼子警視とその一味(?)。ディナーショーの最中に奇術師がバラバラ死体になって空中から落ちてきた。さらに3人の暴力団員の身体が引き千切られた。薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズ第4弾。


<感想>

 相変わらずの傍若無人、ゴーイングマイウエイな薬師寺涼子様が今度は豪華客船を舞台に大活躍!!――ではあるけれで、今回も結局は所は変わり出てくる怪物は変われどやることは同じなんだよね(笑)。キャラクタは抜群に魅力的だし、そのキャラクタの魅力によって面白さは抜群なんだけど、それだけにこの安易さがとても残念。

 しかし今回っていつにも増してコメディでしたね。まあ涼子さまのいきすぎた強さって、どうしたってコメディにしかならないだろうと思うけど。今回は特に短く小品なので、物語の裏表がなくて深みなし――まあ深みがないのは毎回だけど、いつにも増してね。敵の設定もステレオタイプのいかにもな悪役だし。考えていることも「馬鹿か、こいつ」っていう底が浅いどころか子供だってもう少し考えるのではという陰謀。ヤマトナデシコが好きな理由もあれだしね(笑)。涼子さま一行が豪華客船にお笑いやりにきましたって感じ(笑)。豪華客船も沈まないし。涼子さまの言うとおり、地味な事件でした。

 今回で一番面白かった所が、船に乗っていたのが全員涼子さまの子分だったところかな。『オリエント急行』も真っ青なオチで(笑)。これには意表をつかれました。あと「リュシエンヌ」「マリアンヌ」の二人のメイドさんコンビの活躍場をどうせ出すなら増やして欲しかったというのは、実に個人的な感想(笑)。

 しかし傍若無人のスーパーレディ「世界は私のもの」な涼子様ですが、実は純情可憐な乙女なのかも(笑)。泉田くんを強引に引っ張っていくのも案外それしか感情を伝える方法を知らないのかも。貰った安物のブローチをしっかり飾っていたりとかね(笑)。

「日本の女をなめないでいただきたいわ」

――薬師寺涼子


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