★ネタバレ感想★
夏への扉
ロバート・A・ハイライン
オールタイムベストを選ばせると、必ず1位になるSFの普及の名作。コールドスリープとタイムマシンを使用して、時間を行き来するする男の話だけど、張り巡らされた伏線が最後にすべて繋がって、主人公が幸せを手にするというミステリィ的な快感もあります。ただ、SFやミステリィとしてどうというよりも、『夏への扉』という詩的なタイトルといい、失意のどん底にある男が、時間を行き来してまで「夏への扉」を探しつづけるという内容といい、何よりロマンチックで素敵な物語であるからこそ、愛されているのだなと思いました。『夏への扉』というのは、まあ「未来への希望」なんだろうね。すべてを失って始まった主人公が、ラストですべて以上を手にいれて終わるわけだけど、それでもまだ、愛猫ピートと愛する妻と共に、今だ『夏への扉』を探し続けている。主人公が「技術者」というのが象徴的で、つまりそれは、人類の飽くなき上昇志向Jこそが世界をより良くするのだという「科学への信頼」を現しているのだと思いました。
しかし――いくら悪女に騙されてすべてを失ったからって、11歳の少女にプロポーズする男って、どうかと思うぞ?(笑)
彼はいつまでたっても、ドアというドアを試せば、
必ずそのひとつは夏に通じるという確信を、捨てようとはしないのだ。
そしてもちろん、ぼくは