★ネタバレ感想★


UNKNOWNアンノン

古処誠二


<あらすじ>

 絶対侵入不可能なはずの自衛隊のレーダ基地・警戒監視隊の隊長室にしかけられていた盗聴器。二重三重の密室ともいえるこの部屋に一体誰が?何のために?防諜のエキスパート防衛部調査班の朝香ニ尉が調査に乗り出す。


<感想>

 自衛隊の矛盾を描くミステリィ。もしかして作者の古処さんは元自衛官なのかな?自衛隊という一般人には想像のつかない世界を分かりやすく見せてくれていると思います。わかり安すぎて、個人的にはもっともっと細かい所まで書いて欲しかった気がするけど、これ以上は国家秘密で書けないのかもしれません(笑)。これがデヴュ作だからか、テーマ性が真っ直ぐに出ていて気恥ずかしくもありますが、それが初々しくて変に勘ぐったりしなくて言い分、気持ちがよくもあります。ミステリィの部分は、かなり容易周到に伏線を張り巡らしていますが、話が短い分、上手く隠せなくてわかりやす過ぎたかなと言う気がします。

 真っ直ぐなテーマは先に書いたとおり「自衛隊のもつ矛盾」。国民のために働いているのに認めてもらえないという自衛官のジレンマとか一般人には想像のつかない部分でした。最後に、野上三曹が自分の見方が一面過ぎだったと反省して心を入れ替えているけど、それは僕たち一般人にも言えることなんだよね。ふたばは自衛隊は認められません。なぜなら憲法で武力を持つことを認めていないのに法的アクロバットで、なし崩し的に存在しているから。それが現実的なことであったもやはり気分的に認めたくないです。何の実害を受けたわけでないけどやはり武器を持っているやつは高圧的な雰囲気を受けて気分が悪いですから。もっとも日常的に自衛官が側にいるわけではないのでむしろ警察官の方にそう感じるんですがね。でもこの作品を読んで自分の見方が一面的であることを思い知りました。彼らには彼らの苦労と矛盾がある、それを呑みこんで国のために働きつづけているんですね。まあこれからも、自衛隊は認めなたくないだろうし、自衛官の姿を見るたびにイヤな気持ちになるそれは変わらないだろうけど、彼らにも言いたいことはあるんだということだけは忘れないようにしたいですね。

 

自衛隊が本来の活躍をすることは、あってはならない。「それは平和で結構なことだ。それが望ましいことなんだ。武力を持っているような組織は、国民から白い目で見られる必要があるんだ

――朝香仁


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