第6巻
寝屋子
―海から生まれた家族―


海に生きる人々の絆

 伊勢湾口に浮かぶ島、答志島。この作品は、この島の答志集落に伝えられている日本で唯一の伝統的若者宿の制度(ここでは「寝屋子(ねやこ)」とよぶ)を、1980年3月から14年余をかけて記録したものである。
 答志は、海に依存し、漁業に生きる町である。
 答志では、中学校を卒業した男子は、数人単位のグループをつくり、寝屋親を選び、自分たちの宿を引き受けてくれるように頼んでもらう。そして10数年、起居をともにする共同生活をし、最初の結婚者が出るとそれを機にその寝屋子組は解散する。
 血気盛んな時期の共同生活。実の兄弟以上に強い人間的結びつきが寝屋子たちに生れ、また寝屋親とは実の親とはまた違った強い結びつきが生れる。そしてそれは生涯変わることはない。
「ここが漁業で生き続けるかぎり寝屋子はなくならない」と、この記録で追い続けた、寝屋親は言った。「わしらは漁師。海の仕事には危険がつきまとう。助け合わなければならない。寝屋子はその助け合いの制度だ」。

戻る

copyright2009 民族文化映像研究所