イングウェイ・マルムスティーン


      極悪人ヅラ↓。若かりし頃。

 スウェーデンが誇るバカ。1983年スティーラー名義で出したアルバム「STEERER」から今までのソロ名義の作品まで、えんえん速弾きオンリーの作品を作り続けている。(2000年現在)。たいていのミュージシャンて、音楽とかプレイスタイルとかがかわるもんだが、こいつで20ン時から変わったところといえばお腹だけぢゃないかという噂もあるくらい何もかわらにゃい。「ねぇねぇイングウェイってどーゆーひと?」という質問がくりゃ、洋楽に詳しい人ならば、98%が「性格悪くてギター速く弾く人」と応える(帝国データバンク調べ)

 しかし曲を聴いてもらえれば解るようにこいつの曲作りの基本はクラシック!特にバロックから古典派にかけての影響がかなり強い。
 彼は幼少の頃よりパガニーニを信奉し、エレキでパガニーニの24のカプリースを弾いていたというのだから彼のイカレ具合はガキの頃より培われていたといっても過言ではない。
 しかも聴いていると原曲にはない超高速アルペジオが「はぃー、ほぃー」と至る所に出てくる。どうも自分の好きなように弾かないと気に入らないところがワガママ大王だ。

 ただそのプレイにあこがれて「イングウェイ・フォロワー」なる奴らが現れた。なんせ昔のイングウェイはルックス抜群、髪振り乱して「おらおらおらぁ」ってギターを振り回しながら目にもとまらぬ早業で「ぱらりらぱらりら、んぺんぺ、ぎゅぃーん!!」と超光速パッセージを速射砲のごとく連発するから、当時のギター小僧はめろめろだったらしい(おなごがめろめろになったかのデータは手元に無し)。



  だが技術的な方面から解説するならば、彼がロックギターテクニックに果たした役割っちゅーのは非常にでかい。
 (影響その1)みんなが速く弾くようになった。
  いままでのギターソロのテンポが「lent」だとするならば「vivace」くらいまで平均レベルを押し上げた。当時のギターテクの基本はブルース!であり1音1音にエモーション&パッションを込めるタイプであったのが、ギターソロ全体のスピードと迫力こそすべてという世界へと変貌していった。
 (影響その2)みんなでおらおらクラシック!
 
彼が広めたハーモニックマイナースケールってぇのは、もうこれを弾くだけでクラシックの響きがするぜぇってなかんじのスケール(音階)である。これを彼はうまーく使って、ロックの世界に持ち込んだ。
 逆の見方をすればクラシックの世界にロック、R&D(=リズム&ブルース)を持ち込んだともいえる。
まぁ、みんなこれにはまっちゃったのであったIn80年代。しかし、この音階は基本的に誰が弾いてもクラシックなフィーリングがするわけで、しかもパターン化されたメロディをいかに巧く構築していくかが勝負の世界であったのでふぉろわーが増えるに従って、誰もが似てきてしまった。
ちなみにイングウェイは、というとそこはやはり本家、王者の貫禄とお腹で他のギタリストとの差別化を図り(いやほんとは彼は天才だと思うよー。他は秀才。By某ギタリスト)、80年代は雨後の竹の子のように出てきたイングウェイ・フォロワーの中で、生き残ったのはイングウェイ彼一人であった。

 (影響その3)みんなでスウィープピッキング

 そもそもスィープピッキングとはなんぞや。簡単にいえば、ギターでコードってアルでしょ?コードってのはふつうに弾くと「じゃらーん」となるがそこを1音1音はっきりと際だたせて「ば、だ、だ、た、た、た」と弾いていくのが基本となっているピッキングテクなのであるよ。それをジャズ・ロックギタリストのフランク・ギャンバレって人がGIT(アメリカにあるギター専門学校)時代に開発したのがスィープピッキング。コードをダウンピッキングで「ば、だ、だ、た」と弾いてまたアップで「た、だ、だ、ば」と(1音1音際だたせて、しかも速く)弾くとあらまぁなんてかっこいいんでしょうんでもってイングウェイはマイナーコードを多用したスィープピッキングを連発。で、まぁこれが大流行。
 もう曲にはなーんの関係もないところで「ばきゅるるる、ぼきゅるるる」(実際こう聞こえる)と連発されるようになってしまった。

 ちなみにこやつは今までにCDを10数枚出しているが、そのほとんどをソロ名義で出している。ちゃんとバンド形式は整っているにもかかわらずである。なーんでか?
 答え:あまりにもワガママ大王すぎてバンドのメンバーがしょっちゅうクビになるから、でした。CD出すごとにボーカリストが変わるなんて、そりゃバンド名義ぢゃだせねぇわ、うんうん。
えぇい!!アルカトラズ時代のグラハム・ボネットよ、仲直りしてイングウェイの下で歌ってくれー。
ちなみにグラハム・ボネットはあのリッチー・ブラックモア(元ディープパープル、レインボーのギタリスト)にレインボー迎えられたがクビになり、自己のバンドアルカトラスを結成、ギタリストにイングウェイを迎えた人でやんす。ロックのライブだっちゅーのに青いスーツに白のYシャツ、ピンクのネクタイで、めがねかけて、オールバック。まるで横山やすし(米国版)ってな感じのボーカリストであった。
でも歌は激ウマ。ちなみに彼はイングウェイと喧嘩してクビにしてスティーブ・ヴァイを迎えたのであった。


  判定
 ちなみに俺は、というと好きダスよ、コイツは。一介のヴァイオリン弾きとして思いっきり手グセ的フレーズ(あぁ、手が勝手に動く〜って感じでちょろちょろ弾くフレーズ)を連発されるのは好きじゃないけど、それに有り余るほどの作曲のセンス(12曲入ってるアルバム中4曲はいけてる)とギタリストとしての才能は天才だと思うよ。もうコイツの場合ギターソロのスピードが神業級なんてことはどーでも良いのら。溢れんばかりのエモーションをクラシックというツールを使ってロックの中に体現できる人はこの人くらいぢゃないかと思う。だからこそ、イングウェイ・フォロワーなんてのはすぐに廃れてしまったし、イングウェイが開拓したこのプレイスタイルはあまりにも(イイ意味で)個性的でオリジナリティー溢れるモノであるため、ポール・ギルバートやヴィニー・ムーア、トニー・マカパインなど、フォロワーとして一応成功した連中もブルース方面への方向転換をしなくてはならないという羽目になった。ウリ・ジョン・ロートもマイケル・シェンカーもこういうことに関しては彼にくらべたらヒヨッコだと俺は思う。リッチー・ブラックモアはもう10年前にゃしおれて枯れちまったし。
 ってことで横綱!!

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