邦訳・日本の小説
「オペラ座の怪人」をもとにしたお話のうち、邦訳も出ているもの・日本の小説を読んでみましょう。
コーナーの性格上、それなりにネタバレしています。ご注意下さい。
実際にお読みになりましたら、ぜひあなたのご感想もお聞かせ下さい。
ガストン・ルルーの原作小説「オペラ座の怪人」の日本語訳はこちらへ。
「オペラ座の怪人」の漫画・コミックスはこちらへ。
「オペラ座の怪人」の絵本はこちらへ。
「オペラ座の怪人」と名のつく映画・海外ドラマはこちらへ。
他のミュージカル作品は、ミュージカルなCD屋さん出張所へどうぞ。
Last Modified: 07/10/2009
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■Part 4 邦訳も出ているもの・日本の小説 |
海外小説の日本語訳 "None of us can choose where we will love..." - PHANTOM by Susan Kay - |
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![]() 特異な容貌と才能の為に数奇な運命を辿り、後に「オペラ座の怪人」と呼ばれることになる男、エリックの一代記です。物語は、ある時はエリックの、またある時は他の登場人物の一人称で綴られていきます。ガストン・ルルーの原作小説とALW版ミュージカルの間をつなぐにとどまらず、作者独自の観点も加わった偉大なるファンフィクションです。 「オペラ座の怪人」が好きな人にも、そんなもの聞いたこともないと言う人にも、 ぜひともおすすめしたいと思います。私はどうしてもクリスティーヌの登場する下巻ばかり読んでしまうのですが、 ひたすらかわいそうな上巻も泣かせます。あの人にも、いたいけな子供時代と多感な思春期があったと言うお話です。 全てを託したエリック、毅然として沈黙を守り通したクリスティーヌ、一切を背負って老成していくラウル(この訳ではラウール)。三人の姿に胸を打たれます。 なお、たまに「ラストがピンと来ない」という方がいらっしゃるので、念のために。 かっこう 【郭公】 カッコウ目カッコウ科の鳥。ハトよりやや小型。ほぼ灰褐色で腹には白地にタカに似た細く密な横斑がある。モズ・ホオジロ・オオヨシキリ・オナガの巣中に托卵し、これらの鳥を仮親として哺育される。鳴声は「かっこう」と響く。 たくらん 【托卵】 或る鳥が他種の鳥の巣に産卵し、その鳥に抱卵・育雛させること。仮親の卵より早く孵化し、仮親の卵を巣外に排除する。 〜〜「広辞苑」 ![]() ところで、各国で出版されているものと見比べてみると、日本語訳の表紙デザインはどうも愛想がない。これも不満といえば不満なところです。
懐かしの「ノルウェイの森」のヒットにでもあやかったんでしょうか。違うんですか。そうですか。もうちょっとこう何か、マスク的なものを入れとかないと紛らわしいんじゃないでしょうか。それでなくても、「ファントム」と名の付く本はいろいろあってややこしいんですよ。おまけにハンパなところで内容に関係なく上・下巻に分かれているのも、気になるところです。ちなみに私が一番好きなのはUK版の表紙(黒マント姿のエリックがへたり込んで顔を覆ってるデザイン)なのですが、これも大昔に絶版。どうして、人におすすめしたいものばかりがさっさと絶版になるんでしょうか。 .......... (書いた時期: 大昔過ぎて不明) さて、未だに人気も高いこのスーザン・ケイ作「ファントム」ですが、なぜかもともとの英語版は長いこと絶版になっておりました。もとはUS$6.50のペーパーバックなのに、時々すごい値段で取引されたりしてました。各国の翻訳版は今も健在なのに、とかくこの世は不条理でした。そんなところへ、「奇特な出版社が現れて、ペーパーバックとハードカバー両方で再版しますよ!」というおめでたいニュースが流れたのは、まだセミがミンミン鳴いている今年の夏のことでございました。あれからさっぱり動きがないので気になっていましたが、そろそろホットカーペットでも出そうかというこの時期に、とりあえずハードカバー版はアマゾンで扱われるようになりました。良かった良かった。表紙も楽しみなので、また買ってしまうと思います。高いけど。 .......... (11/15/2005) ペーパーバック版も扱われるようになりました。良かった良かった。 .......... (01/10/2006) |
| 現在、この小説の日本語訳は、 ……という文庫版(上・下巻)が出ています。ぜひどうぞ。 ついでにドイツ語訳も、 * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) ドイツ語でチャレンジしてみたい方は、ぜひどうぞ。 なんとなく、ドイツのスーザン・ケイ・ファンは恵まれているような気がします。処女作"LEGACY"のドイツ語訳"DIE KÖNIGIN"も出版されています。もともとの英語版は絶版なのに。 ところで、もともとの英語版は、 英語版にチャレンジしたい方にぜひおすすめしたいのですが、絶版……という状況が、ずいぶん長く続きましたが、 めでたく帰ってきた英語版は、 * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) 2005年にハードカバー版が登場です。何が豪華って値段が豪華。 そしてまた、 * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) * PHANTOM .... by Susan Kay (Paperback) (2006) (amazon.com) * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) こちらはペーパーバックで、お手頃です。 再版されてよかったよかった。このお話は、英語でもぜひおすすめしたいと思います。 さらに詳しくは、奇特な出版社Llumina Pressのサイトのこちらやこちらをどうぞ。 |
| 1990年 スーザン・ケイ 著 (by Susan Kay) / 北條元子 訳 扶桑社 (ハードカバー 上・下巻) 1992年初版 ..... こちらの上巻はもう絶版のようです。 こちらの下巻も。 扶桑社ミステリー (文庫版 上・下巻) 1994年初版 |
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| ああ、こそばゆい。ハーレクイン・ロマンスです。現在入手は難しそうです。私はたまたま近所の図書館で見かけました。表紙は、長髪をなびかせ胸をはだけた濃いラテン顔のお兄さんが、もだえる美女をぐいと抱き寄せる図。とってもハーレクイン……。わかりやすいです。どのあたりがファントムなのかはよくわかりませんが、そう言い張るんならきっとそうなんでしょう。どうでもいいです。 ストーリーはといいますと、キャリア系の美貌のヒロインが、謎の天才仮面建築家の暗〜い屋敷に幽閉されまして、そこはやっぱりハーレクインですから、色々すったもんだがありまして、多少色っぽいシーンがありまして、なんだかんだで真実の愛に目覚めてハッピーエンド……なのは言うまでもありません。ほかにどない言えっちゅーねん。 ........... (書いた時期: 大昔過ぎて不明) これもずいぶん前から絶版でしたが、忘れた頃に文庫本になってました。今回は帯にも「アン・スチュアート版オペラ座の怪人」の煽り文字が。出版社のやる気が窺えますが(何のやる気よ?)、そもそもこの話ってそんなには「オペラ座の怪人」に関係ないですよね。今さら言うのも何ですが。始まりからして父親のトラブル対策に娘が怪しい屋敷に出向く「美女と野獣」だし、そのほかいろいろ混じってるし、暗い所でごそごそしているこのヒーローも、ファントムっぽいかと言われるとすごく微妙。とはいえ何をもってファントムっぽいと判断するかは人それぞれですので、天才建築家ならファントムっぽいとか、マスク的な物を付けてわはははわははは言ってればファントムっぽいとか、いろいろご意見はおありでしょう。私はやっぱり最低限、育成イベントは欲しいな……、って話がずれました。 ファントム関連はおいといて、ストーリーはいかにもハーレクインでサクサク読めるし、登場人物は誰一人共感できないキャラでツッコミ入れ放題だし、出てくるオサレアイテムが中途半端に古くてなんだか照れるし、きっと何かそのほかにも愉快ないいところがあるのではないでしょうか。 .......... (07/10/2009) |
| この日本語訳は、 * 愛のファントム (ハーレクイン) (1993) (amazon.co.jp) どうしても読みたいという奇特な方は、探してもらってください。 ついでに、もともとの英語版も、 * NIGHT OF THE PHANTOM (American Romance, No 398) (1991) (amazon.com) * 日本のサイトでも、探してもらってください (amazon.co.jp) * NIGHT OF THE PHANTOM [Large Print] (1992) (amazon.com) * こちらでも、どうでしょう (amazon.co.jp) どうしても読みたいという奇(以下略) そして、 2009年2月に文庫版で再登場。 |
| 1990年 アン・スチュアート 著 (by Anne Stuart) / 麻生蓉 訳 ハーレクイン・アメリカン・ロマンス 1993年初版 |
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ああ何度聞いてもなじめないタイトル。 レスリー・チェン(レスリー・チャン)主演のなんちゃってファントム映画の公開に合わせて発売されたノベライズ本です。十年前の大火で廃墟と化したオペラ座で、夜毎響きわたる謎の歌声……なんて、近頃あまりお目にかからないアナクロ文体で、なかなか新鮮です。大学の建築学部を卒業してすぐに、オペラ座を設計・施工して、資金調達も自分でやって(どんな人脈持ってるんでしょう)、 劇団も創設して、オペラも作曲して、演出して、主演して、 おまけに革命家までやっているという主人公のソン・タンピン先生って、実は本家本元の「オペラ座の怪人」以上に大天才なんでしょうね、きっと。 そういうことにしておいてください。 ........... (書いた時期: 大昔過ぎて不明) |
| このノベライズ本は、 探してもらってください。 この映画については、 「映画の怪人たち」もご覧ください。 |
| 1995年 木青 著 (by Muhk Ching) 千夜ハルコ 訳 ビクターブックス (ハードカバー) 1997年初版 |
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ほんとに出るの〜?そのまま立ち消えになってくれるんじゃないの〜?と私を夜毎悩ませたあげく、結局出てしまいました。これぞ世紀末の悪夢、「オペラ座の怪人2」小説です。日本語訳まで出てしまいました。著者フレデリック・フォーサイスが日本に宣伝行脚に来ていた時は、どの雑誌・新聞を見ても歯の浮くような提灯対談が載っていて、毎日私を思いっきりブルーな気分にさせてくれました。ありがとうフォーサイス先生。でも、がんばったわりにはあんまり売れませんでしたねフォーサイス先生。未だに本屋で平積みになっているのを見かけるだけでイライラいたします。 .......... (書いた時期: 大昔過ぎて不明) |
| 日本語訳は、 決しておすすめしようなどとは思いませんが、どうしてもという方は、こちらの文庫版をどうぞ。 ついでに、もともとの英語版も、 * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) 中身のサンプルは、amazon.comで立ち読みできます。出版サイドの自画自賛コメントと読者のお怒りコメントの落差が笑えます。 ついでにドイツ語訳も、 * この独語本は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) この話をわざわざドイツ語にチャレンジしてまで読む義理はないですが、チャレンジしたい方はどうぞ。 さらにフランス語訳は、 * こちらでは、どうでしょう (amazon.co.jp) 表紙が怖すぎ。 |
| 1999年 フレデリック・フォーサイス 著 (by Frederick Forsyth) / 篠原慎 訳 角川書店 (ハードカバー) 2000年初版 ..... こちらはもう絶版のようです。 角川文庫 (文庫版) 2002年初版 |
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キューバ人亡命作家カブレラ=インファンテの短編。古今東西の目ぼしい「オペラ座の怪人」をもじった内容になっています。ただし、書かれたのは1983年なので、1986年ロンドン初演のALW版ミュージカルは元ネタとして反映されてません。あとちょっとだったのに。惜しいです。まず目立つのはガストン・ルルーの原作小説。ここからの引用が、「いつまで続くんだろう」と心配になるぐらい続きます。ぱっと見、文章の全体量の三分の一が原作のコラージュのような気が。どうなんでしょうこれは。また、1925年のロン・チェイニー主演サイレント映画「オペラの怪人」や、1943年のクロード・レインズ主演映画「オペラの怪人」、1962年のハーバート・ロム主演映画「オペラの怪人」、さらには1974年のブライアン・デ・パルマ監督映画「ファントム・オブ・パラダイス」なども登場。ストーリーや登場人物、出演俳優などをネタにしたパロディーや言葉遊びが続きます。特に作者は「パラダイス」がお好みだったのか、よくこんなの拾うなぁという細かいネタも拾ってたりして、笑ってしまいます。 で、そもそもこれは何のお話だったのかというと……。何だったのでしょうか。確か、映画館に映画を見に行ったら女の子たちが……、いいか、別に。ロンドンの地名についての愚痴と、ファントムとクリスティーヌの漫才が面白かったので、別にいいです。 ............ (05/24/2007) |
| この短編の日本語訳が収録されたアンソロジーは、 「エソルド座の怪人」以外の収録作品名は、出版社サイトのこちらで見られます。興味のある方はぜひどうぞ。 ついでに、もともとの英語版「エソルド座の怪人」が収録されたアンソロジーは、 * この洋書は、こちらでも買えます (amazon.co.jp) / Plume Fiction / Edited by Thomas Colchie 「エソルド座の怪人」以外の収録作品名は、出版社サイトのこちらで見られます。こっちの方が元ネタがわかりやすいかも。 この二つのアンソロジーは出版社も編者も違いますので、「エソルド座の怪人」以外の収録作品も違います。ご注意ください。 |
| 1983年 G・カブレラ=インファンテ 著 (by Guillermo Cabrera Infante) 若島正 編 (Edited by Tadashi Wakashima) 早川書房 (ハードカバー) 2007年初版 |
日本発の小説 残念ながらと言うか当然と言うか、海外での出版状況と比べると寂しいです。 |
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| コミック「オペラ座館殺人事件」の続編にあたる小説です。後には、さらにアニメ映画になりました。詳しくは「コミックスの怪人たち」をご覧ください。どうでもいいけど、旧マガジン・ノベルス版の方に載ってる「ファントムのパラパラマンガ」のファントムの足が短い……。 (ほんと〜〜〜に、どうでもいいな) .......... (10/12/2003) |
| 現在手に入るこの本は、 2005年9月に新装版が出たそうです。 この小説の英訳版は、 ... Translated by Yuriko Tamaki 詳しくは、出版元・講談社インターナショナルのサイトのこちらもどうぞ。 |
| 1994年 作: 天樹征丸 画: さとうふみや マガジン・ノベルス (講談社) 1994年09月初版 ..... こちらはもう絶版のようです。 講談社文庫 (講談社) 1998年10月初版 ..... こちらももう絶版のようです。 |
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時は昭和二年、帝都東京で屈指のオペラ劇場パノラマ座。そこには幽霊の噂が云々。タイトルから連想されるのは「オペラ座の怪人」と「パノラマ島奇談」。さらにその他有名探偵もの・怪奇ものをミックス、そのまんまわかりやすくまとめてみました、さあどうぞ、という一冊。中盤までは(終盤までかな?)「オペラ座の怪人」の基本プロットそのまんま、ファントムは例によって酸で顔を焼かれたという、なんちゃってファントムでございます。 元ネタもいちいちご丁寧に明記してくれるので、とってもわかりやすいです。「オペラ座の怪人」についても、探偵さんが、「今度の犯人も『オペラの怪人』を観たか、ルルーの小説を読んだのかもしれないが」……なんて、のんきに独白してくれるご親切さ。さらに地の文でも、「ミュージカルが、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの美しい音楽とともに大成功するのだが」……とまで、未来を大胆予想してくれます。 私はこの一冊に目を通しただけなのでごめんなさいなのですが、既刊タイトルとそのあらすじを見る限り、このシリーズは基本的に昔なつかし怪奇探偵もので、毎回古今東西の有名作品を元ネタにした事件が勃発して、お話はわかりやすく展開、という感じなのでしょうか。要するに「夢見る子犬ウィッシュボーン」のおはなし紹介みたいなものですか。違いますか。そうですか。これを読んだ中学生・高校生が、「オペラ座の怪人」やらホームズやら乱歩やらに興味をもって、原作にでも手を伸ばしてくれたならいいんじゃないでしょうか。 .......... (03/24/2002) |
| このお話は、 新しく文庫版が出ました。 |
| 2001年 赤城毅 著 C・NOVELSファンタジア (中央公論新社) 2001年初版 ..... こちらはもう絶版らしいです。 光文社文庫 (文庫版) 2005年初版 |
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Beware the Phantoms of the Opera...
オペラ座の怪人がいっぱい!
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